いちみのブログ

50代の日常

怒りでおろすと辛くなる?大根おろしの不思議

久しぶりに、大根おろしを食べた。

 

……やっぱり面倒くさい。

すりおろすのに腕はダルくなるし、終わり頃には爪まで削ってしまいそうで、ビクビクする。だから食卓には、なかなか登場しない。好きなんだけど……

 


調理器セット(両刃スライサー、千切り、ツマ切り、おろし、指ガード)も戸棚にある。けれど、結局いつもの100均のおろし器を使ってしまう。

なんだか愛着があるから。

 


子どもの頃に

おばあちゃんが「今日は辛い大根おろしが食べたいから、怒ってる人に怒りながらすってもらうかね」なんて言っていたのを思い出す。

子どもながらに、「怒ってる人にお願いするって、なかなか勇気いるな…」と思った。

 


「怒って大根をすりおろすと辛くなる」と言われるけど、実際のところはどうなんだろう?

 


大根の辛味は、「イソチオシアネート」という成分が関係しているらしい。

大根をすりおろしたり、切ったりして組織が壊れると、大根に含まれる酵素と反応して、この辛味成分が生まれるのだとか。

 


このイソチオシアネートは、細胞を細かく破壊すればするほど多く生成されるといわれている。

殺菌作用があり、刺身のツマとして大根が使われるのもこの成分のおかげ。

肝臓の解毒を助けたり、がんの抑制にも関与すると注目されているそうで。

 


それだけじゃなく、消化を助ける酵素も豊富。

ただ、これらの酵素は熱に弱いため、生で食べる方がその効果を発揮できる。

 


じゃあ、怒っておろした大根が辛くなる理由は?

感情で味が変わらず

怒りに任せて力強くすりおろすことで、細胞がより細かく破壊され、結果としてイソチオシアネートが多く生成されて物理的に辛くなっているということ。

 

そういう理屈だったか。

こうして物理的なことがわかってしまうと

昔から祖父母が言っていた不思議さが無くなってしまい

なんだか、少しさみしく思えてきた。


子どもの頃、何も知らずに大根おろしを口にしたら、おじいちゃんが「今日のは辛いよ」とひと言。

「遅いよ!早く言ってよ‼︎💢」

めちゃくちゃ辛くて、涙目になりながら喉をグーっと押さえた覚えがある。あれは衝撃だったなぁ。辛味大根というのを後で知った。

 

今思えば、あの「早く言ってよ💢」という怒りで、大根をおろしてたら辛くなっていたのかもね。

 


……私は、今、涙が出るほど辛い大根おろしが食べたい。

 

お読みくださりありがとうございます。